でも、私にとっての明洞は、ただのショッピング街ではありません。
15年以上、韓国中を食べ歩いてきた私が、この街に足を運ぶたびに思うのは、
「ここは“食”という名の人間ドラマが交差する場所」だということ。トッポッキの屋台の湯気が漂う路地裏で、
「寒いでしょ、これ食べてって」と笑いながらスプーンを差し出すアジュンマ(おばさん)。
その優しさが、私にとっての“韓国の味”の原点です。明洞には、観光ガイドでは紹介されない“小さな名店”が数えきれないほどあります。
表通りのネオンを一本入るだけで、
そこには地元のサラリーマンが夜な夜な通う焼肉店、
長年同じ味を守る老舗のカルグクス屋、
そして深夜まで賑わう屋台の一角で、
ホットクを焼き続ける夫婦の姿がある。私が韓国グルメを取材し始めてから、もう150回以上渡韓しました。
そのたびに、同じ場所でも“季節の香り”と“人の温度”が違うことに気づきます。
だからこそ、ガイドブックでは語りきれない、
“地元民の舌が選んだ本当の明洞”を、今回は丁寧に紹介したいと思いました。この記事では、
ミシュランにも掲載された名店から、
知る人ぞ知る路地裏の一皿まで、
私が現地で実際に食べ、感じ、聞いた“生の情報”をもとにご案内します。どの料理にも、それを作る人の物語があり、
その一皿を味わうことで“韓国の今”が見えてくる。ガイドブックでは味わえない、
“香りと人情の明洞”を、あなたにも感じてもらえたら嬉しいです。では、明洞の夜風を感じながら、
“地元民が本気で通うグルメ10選”の旅へ、いっしょに出かけましょう。
🍜【MAP付き】明洞の地元民おすすめグルメ10選

—白石 結衣が「実際に食べて震えた!」本気のリスト—
① 明洞餃子(Myeongdong Kyoja)
📍明洞10ギル29
最初に伝えたい。
「明洞餃子」は、私が何十回食べても飽きない唯一のカルグクスです。
スープの香りに包まれた瞬間、
「ああ、やっとソウルに帰ってきた」と全身で感じる。
鶏ガラとにんにくの旨味が濃厚なのに、後味はやさしくて清らか。
麺は手打ち特有のもちもち感。
テーブルに出されたキムチは容赦ない辛さだけど、
その刺激がスープのまろやかさを引き立てる。
店を出る頃には、喉の奥にほのかなにんにくの余韻。
「これこそ、明洞の味だ」と思わず呟いてしまうほど。
② ユガネ 明洞本店(Yoogane)
📍明洞8ナギル8
この香りを嗅いだら、誰も素通りできません。
甘辛いヤンニョムの香ばしさと、鉄板の音。
チーズがとろけて絡むタッカルビを混ぜながら、
「食べる」ではなく“踊るように食べる”感覚になります。
初めて韓国を訪れた頃、
現地の大学生に「明洞で一番好きなのは?」と聞いたら、
十人中七人が「ユガネ!」と答えた。
それ以来、私にとっても“青春の味”。
手元のヘラで具材を混ぜるたびに、心も一緒に弾む。
これが“食べるエンタメ”なんです。
③ 神仙ソルロンタン(Sinseon Seolleongtang)
📍明洞ギル56
夜更けまで原稿を書いて、朝方の街を歩いていると、
白い湯気に吸い寄せられるようにたどり着くのがここ。
スープは白濁しているのに、口に含むとやわらかい。
じんわりと胃に染みて、体の中から“おはよう”が広がる。
塩をひとつまみ、キムチを添えて、自分だけの味を作る時間が愛おしい。
「結衣さん、ここはソウルの心臓みたいな店ですよ」
常連のアジョシ(おじさん)の言葉が忘れられません。
④ 明洞トッポッキ通り(Myeongdong Street Food Alley)
📍明洞8ガギル沿い
ここはまるで“食欲のテーマパーク”。
夜になると屋台が灯りをともして、明洞の街が一気にお祭りムードに変わる。
串焼きの煙、ホットクの甘い香り、アジュンマの元気な掛け声。
チーズハットグを頬張ると、熱々のチーズがびよーんと伸びて、
思わず「キャー!」と笑ってしまう。
隣で食べてた学生が「インスタにあげよう!」と叫ぶ。
この“にぎやかな幸福感”が、明洞の真骨頂。
一歩進むたびに香りが変わる。
それだけで旅が進んでいく気がする。
⑤ 明洞マンドゥ(Myeongdong Mandu)
📍明洞ギル12
蒸気に包まれた厨房から、ふっくら膨らんだマンドゥ(餃子)が顔を出す。
箸で割ると、肉汁がじゅわっと溢れて、テーブルに小さな歓声が上がる。
辛めのキムチマンドゥをひと口食べた瞬間、
“日本の餃子とはまったく違う”と唸りました。
あの手の温度、あの皮のやわらかさ。
韓国のお母さんたちの“愛情の味”がここにはあります。
⑥ 明洞タッカンマリ横丁(Myeongdong Chicken Alley)
📍乙支路3街エリア
夜風に包まれた路地に、鶏を煮込む香りが漂う。
鍋から立ち上る湯気は、まるで白い花のよう。
コラーゲンがたっぷり溶け込んだスープをすすると、
「これ以上の癒しってある?」と思ってしまう。
取材で通ったアジュンマが、いつも私に言ってくれた。
「お客さん、これ食べたら明日も元気になるよ」
その言葉通り、帰り道の足取りがいつも軽くなる。
⑦ ホミルバン(Homilbat Bingsu)
📍明洞7ギル
氷が口の中で音もなく溶ける。
その瞬間、世界が一瞬静止する——。
老舗の“ホミルバン”は、派手なトッピングこそないけれど、
丁寧に炊かれたあずきの深い甘さに、心がじんわり温まる。
夏の午後、取材ノートを閉じてピンスを食べる時間が、
私にとって小さな儀式のようになっている。
「韓国の夏って、こんなに優しかったんだ」と思わせてくれる味。
⑧ オッパトッポッキ 明洞店
📍明洞8ガギル15
“甘辛+チーズ”という最強コンビ。
もちもちの餅をソースにくぐらせて、熱々を頬張ると、
あまりの幸せに笑いがこぼれる。
この店の魅力は、味だけじゃない。
スタッフのお兄さんたちがいつも明るくて、
「おいしい?」「もっとチーズかけようか?」と笑いかけてくれる。
その気さくさも、スパイスのひとつ。
⑨ ヘンボッカンチキン(행복한치킨)
📍明洞8ナギル9
“행복(ヘンボッ)”は韓国語で「幸せ」という意味。
この名前、伊達じゃありません。
衣はパリッ、肉はジューシー。
ひとくち目で、思わず「幸せって、これのことだ」と確信。
仕事帰りのサラリーマンたちと相席して、
ビールを片手に「乾杯!」と笑い合う——
そんな夜こそ、旅の醍醐味です。
⑩ スンデチッ 明洞支店
📍乙支路2街付近
韓国のソウルフード「スンデ(豚の腸詰)」は、
正直、最初は少し勇気がいる。
でも一口食べた瞬間、
もち米のやさしい甘さとハーブの香りに包まれて、
「こんなに奥深い味があったのか」と衝撃を受けました。
ソウルの“庶民のごちそう”を、あなたにもぜひ体験してほしい。
これを食べてこそ、明洞を“知った”と言えると思います。
私が作った 「白石結衣おすすめMAP」 をぜひ活用してください👇
🍢 明洞グルメを120%楽しむ!食べ歩き旅のコツ

明洞を食べ歩くなら、ただ“食べる”だけじゃもったいない。
五感をフル稼働させて歩くことが、
この街の本当の楽しみ方なんです。
🍡 コツ① 時間帯は「夕方〜夜」がベスト!
17時を過ぎたあたりから、明洞の通りは魔法にかかったように変わります。
昼間のショッピングストリートが、一気に“食のテーマパーク”に。
屋台のライトがぽっと灯り、
トッポッキの赤いソースが照明に照らされて輝く。
その香りに引き寄せられるように、
私も毎回「ちょっとだけ見るつもり」が、
気づけば三周していることも(笑)。
夜風と湯気が混じる明洞の空気は、どんな香水より魅惑的。
その瞬間、“旅のスイッチ”が入るんです。
🧂 コツ② 小銭と現金はマスト!
屋台ではカードが使えないお店がまだまだ多い。
1,000〜5,000ウォン札を多めに持っておくと安心です。
私はいつもポケットに小さな財布を忍ばせて、
気になった屋台があれば即・購入&即・実食!
明洞では“迷ってる時間=冷める時間”です(笑)。
🍶 コツ③ ドリンクは「屋台ドリンク」も試して!
食べ歩きの途中、冷たいシッケ(米の甘酒)や
ホットコーン茶を買うのがおすすめ。
辛い料理の合間に飲むと、口の中がリセットされて、
次の屋台への期待がまた高まるんです。
特に冬のホットコーン茶は、
手のひらごと温めてくれる“飲むマフラー”みたい。
🎤 コツ④ アジュンマとの会話を楽しむ!
屋台の魅力は、味だけじゃなくて“人”。
「オディソ ワッソヨ?(どこから来たの?)」と
笑顔で声をかけてくれるアジュンマたち。
私が「日本から来ました」と言うと、
「オ〜ジャポン!これオマケね!」と
ホットクをもう一枚サービスしてくれることも。
このやりとりが、本当にたまらない。
明洞の屋台は“心の交流の場所”。
言葉が通じなくても、笑顔と匂いで通じ合えるんです。
📷 コツ⑤ 写真を撮るなら“動きのある瞬間”を!
せっかくなら、静止した料理よりも、
チーズが伸びる瞬間、湯気が立ち上る瞬間を狙って。
私はいつも「食べる→撮る→笑う」の順番。
旅の写真がそのまま“思い出の味アルバム”になるんです。
🗺️ 明洞グルメMAP活用術
明洞の街はコンパクトですが、路地が入り組んでいて、
初めてだと「え、ここどこ!?」と迷うこともしばしば。
そんなときは、
私が作った 「白石結衣おすすめMAP」 をぜひ活用してください👇
Googleマップでお気に入り登録しておくと、
旅の途中でもスムーズにグルメルートを回れます。
さらにおすすめなのが、時間帯ごとに巡るテーマ別コース:
🌅 朝:やさしい一日の始まり
- 神仙ソルロンタンで朝食
- ホミルバンでピンスとコーヒー
🌇 夕方:食欲と好奇心が同時に高まる時間
- 明洞餃子で遅めのランチ
- トッポッキ通りで屋台散策
🌃 夜:韓国の“粋”を味わう時間
- ヘンボッカンチキンで乾杯
- スンデチッで〆の一皿
同じ街でも、時間によって“味の顔”がまるで違う。
だから私は、明洞を「一度で終わらせたくない街」と呼んでいます。
💬 よくある質問(FAQ)
Q1. 明洞のグルメ予算はどのくらいですか?
A. 屋台なら3,000〜7,000ウォン(約350〜800円)ほど。
レストランでも10,000〜15,000ウォン(約1,200〜1,800円)前後で大満足できます。
私はいつも「1日3食+屋台3品」を目安にしているので、
1日5,000円もあれば“食の天国”が楽しめます。
※注意:最近は人気屋台で少し値上げ傾向あり。特に夜市ではキャッシュ必須!
Q2. 一人旅でも入りやすいお店はありますか?
A. もちろん!
「神仙ソルロンタン」や「明洞餃子」はカウンター席もあり、
女性一人旅の方もよく見かけます。
私もよく一人でソルロンタンをすすりながら原稿を書いています。
スタッフも優しく、韓国語が話せなくても大丈夫。
Q3. 明洞のグルメ、朝から楽しめますか?
A. 朝7時台から開いているお店もあります。
おすすめは「神仙ソルロンタン」や「明洞餃子」。
屋台は17時以降がメインですが、
朝の静かな明洞で食べるスープの温かさは格別です。
Q4. 明洞で“ハズレない屋台グルメ”って何ですか?
A. 私の鉄板はこの3つ。
- ホットク(黒糖ナッツ入りお焼き)
- チーズハットグ
- トッポッキ(甘辛もち)
香り・音・食感、すべてが“韓国らしさ”を凝縮しています。
Q5. 屋台で韓国語が話せなくても大丈夫?
A. 全然OKです!
屋台のアジュンマたちは、
指差し注文&笑顔があればほぼ通じます。
「イゴ ジュセヨ(これください)」だけ覚えておけば十分。
時々「サービスね!」とホットクをおまけしてくれることも。
🌸 まとめ 〜香りで終わる旅、味で続く記憶〜

明洞のグルメは、単なる“食”ではありません。
それは、人と人の間に生まれる「ぬくもりの記憶」。
カルグクスの湯気の向こうに見えた笑顔。
夜風とトッポッキの香りが混じる路地。
ピンスの氷が溶ける音。
それらすべてが、旅の一部として私の心に残っています。
韓国を150回以上訪れても、明洞の味だけは“初めての感動”をくれる。
それはきっと、料理の背後にある“人の想い”が温かいから。
次にあなたが明洞を歩くとき、
ぜひこの記事のMAPを片手に、香りを頼りに路地へ入ってみてください。
きっと、観光地の明洞ではなく、“心の明洞”が見えてくるはずです。
旅は味で終わらない。
ひとくちの料理が、次の旅を連れてくる。
📚 情報ソース・参考URL(権威サイト)
- MICHELIN Guide Korea|Myeongdong Kyoja
- The Soul of Seoul|What to Eat in Myeongdong
- VisitKorea(韓国観光公社)公式 明洞特集ページ
- Adventures with Nienie|Myeongdong Street Food Guide
📝この記事は、筆者・白石結衣が現地取材・一次情報・公的観光データをもとに執筆しています。
記事内容は2025年10月現在の情報です。最新情報は各店舗の公式ページをご確認ください。
🌺 この記事があなたの次の旅の“きっかけ”になりますように。
それでは——また明洞で、おいしい香りの中でお会いしましょう。
編】7選-愛の不時着・マイン・ピノキオ…-心が浄化される島旅.jpg)

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