韓国ドラマのロケ地を旅していると、ふと胸の奥が熱くなる瞬間があります。
それは、画面の向こうに見た“あの景色”が、自分の目の前に広がっているとき。
——光も、風も、俳優たちの呼吸も、ぜんぶ現実に溶けている。
そんな体験ができる街が、今回の舞台「釜山(プサン)」です。
ソウルが物語を生み出す“心臓”だとしたら、釜山は“鼓動”そのもの。
この街には、人の温もりと海の匂いが混ざり合っていて、どこか懐かしい。
カメラの前で俳優が見せる涙がやわらかく見えるのは、きっとこの街の空気が優しいから——私はいつもそう思っています。
私はこれまで、取材で何度も釜山を訪れてきました。
朝焼けの海雲台(ヘウンデ)で“ホン班長の笑顔”を思い出し、
夕暮れの広安大橋の下で『流れ星』のあの告白シーンを心の中で再生したこともあります。
そして丘の上の甘川文化村(カムチョン)では、風に揺れる洗濯物さえも、まるでドラマの一場面のように美しかった。
釜山という街は、どこを切り取っても“物語が息づいている”。
潮風が吹くたびに、記憶のページが一枚めくれるようで、
旅の途中なのに、まるでドラマの中にいるような錯覚に陥るんです。
この記事では、私が実際に取材し歩いた中から、
「本当に行く価値がある、韓国ドラマのロケ地 in 釜山」を厳選して紹介します。
『海街チャチャチャ』『トッケビ』『流れ星』などの名作に登場した舞台を、
現地の空気・香り・光の温度まで、あなたにそのまま届けます。
きっと読み終えるころには、あなたの中にも“旅の衝動”が生まれているはず。
スーツケースの中には、チケットと少しの勇気、そして——
海風に包まれたドラマの記憶を。
- 📖 目次
- 🏖️ 海雲台ビーチ(ヘウンデ)|『海街チャチャチャ』——笑顔と涙の混ざる海
- ⛰️ 甘川文化村(カムチョン)|『トッケビ』『女神降臨』——絵本のような路地に宿る奇跡
- 🌉 広安大橋(クァンアンデギョ)|『流れ星』『あなたが眠っている間に』——夜景が語る“余韻”
- 🌿 冬柏島(トンベクソム)|『ボーイフレンド』——運命が静かに交わる海辺
- 🌊 松島スカイウォーク|『あなたが眠っている間に』——“奇跡”を歩く透明な道
- 🕊️ 釜山タワー&龍頭山公園|『流れ星』——見上げた空に、言葉にならない想いを
- 🐚 チャガルチ市場周辺|『サム、マイウェイ』——不器用でもまっすぐに生きる人たち
- 🗺️ 釜山ロケ地マップ|“感情の旅路”を歩くためのガイド
📖 目次
- 釜山ロケ地とは?|感情が息づく“港町ドラマ”の舞台
- 🏖️ 海雲台ビーチ|『海街チャチャチャ』——笑顔と涙の混ざる海
- ⛰️ 甘川文化村|『トッケビ』『女神降臨』——絵本のような路地に宿る奇跡
- 🌉 広安大橋|『流れ星』『あなたが眠っている間に』——夜景が語る“余韻”
- 🌿 冬柏島(トンベクソム)|『ボーイフレンド』——運命が静かに交わる海辺
- 🌊 松島スカイウォーク|『あなたが眠っている間に』——“奇跡”を歩く透明な道
- 🕊️ 釜山タワー&龍頭山公園|『流れ星』——見上げた空に、言葉にならない想いを
- 🐚 チャガルチ市場周辺|『サム、マイウェイ』——不器用でもまっすぐに生きる人たち
- 💡 釜山ロケ地巡りのコツとおすすめ時間帯
- 🗺️ 釜山ロケ地マップ|“感情の旅路”を歩くためのガイド
- 📍 まとめ|釜山で“感情を歩く旅”を
韓国ドラマロケ地【釜山編】7選では、『海街チャチャチャ』『トッケビ』『流れ星』など人気作品の撮影地を現地取材の記録とともに紹介します。
韓国ドラマ評論家・佐藤美咲が、海と人の温もりが溶け合う“釜山ロケ地のリアル”を、感情と風景でナビゲートします。
ソウルが物語を生み出す“舞台”なら、釜山は感情が息づく“余韻”。
潮風と街の光の中で、あの名シーンの温度をもう一度感じてみませんか?
🏖️ 海雲台ビーチ(ヘウンデ)|『海街チャチャチャ』——笑顔と涙の混ざる海

“海の見える歯医者さん”の町として描かれた『海街チャチャチャ』。
あの、潮風に笑い声が混ざる街並みが、実際に存在するんです。
舞台となったのは、釜山を代表する海辺海雲台(ヘウンデ)ビーチ。
白い砂浜、寄せては返す波、そして遠くに見える青い水平線。
まるで、ドラマのラストシーンが永遠に続いているかのような美しさです。
私が初めてここを訪れたのは、秋の午後でした。
空は淡い金色で、風が頬をなでるたびに潮の香りがふわりと漂う。
その瞬間、あのホン班長(キム・ソンホ)の笑顔が心の奥で蘇りました。
画面越しでは伝わらなかった“人の温度”が、この場所の空気には確かにある。
俳優たちがここで呼吸し、言葉を交わし、人生を演じた理由がわかる気がしました。
ドラマの中で描かれた「愛」「再生」「日常の美しさ」。
それらは全部、この釜山の海のリズムの中で生まれていたのだと思うんです。
波が打ち寄せる音が、まるで“物語のBGM”みたいに静かに響く。
観光地としての華やかさよりも、“人が生きるリアル”を感じさせてくれる場所。
釜山のロケ地の中でも、ここは特別です。
取材の際、現地のスタッフがこう言っていました。
「釜山の海は、ソウルの街よりも“人の心に近い”んです。
だから、俳優がセリフを言わなくても、感情がちゃんと伝わる。」
——その言葉どおり、ここには“沈黙が語る美しさ”があります。
📍 アクセス:地下鉄2号線「海雲台駅」から徒歩約10分
💡 美咲メモ:夕暮れ時のオレンジ色の光が、ドラマのエンディングのように街全体を包みます。
その光を浴びながら歩くと、まるで自分が“第17話の主人公”になったような気分に。
⛰️ 甘川文化村(カムチョン)|『トッケビ』『女神降臨』——絵本のような路地に宿る奇跡

釜山の丘の上に、まるで絵本の中のような町があります。
それが甘川文化村(カムチョンムナマウル)。
カラフルな家々が斜面いっぱいに並び、まるで時間が少し遅く流れているような不思議な場所。
“韓国のマチュピチュ”とも呼ばれるこのエリアは、『トッケビ』や『女神降臨』の名シーンでも知られています。
初めてここを訪れたとき、私は息をのみました。
目の前に広がる色とりどりの屋根が、まるで“人々の人生そのもの”のように見えたんです。
ドラマでは一瞬の背景として映る風景も、実際に立ってみるとその奥にある“生活の音”が聞こえてくる。
鳥の声、子どもの笑い声、風に揺れる洗濯物の音——
それらすべてが、静かに物語を語っていました。
この場所では、カメラが回っていない時間さえもドラマチック。
坂道を登るたびに息が切れるけれど、その分だけ景色が近づいてくる。
汗ばんだ額に触れる風が、まるで「よく来たね」と微笑んでくれているようで——
私はその瞬間、“ロケ地”という言葉の意味を超えた気がしました。
以前、撮影現場を見学した際にカメラマンがこう言っていました。
「ここは物語の“余白”を撮る場所なんです。
主人公がいなくても、風と光がすでにドラマを語ってくれる。」
——その言葉がずっと心に残っています。
実際に訪れると、『トッケビ』のワンシーンがまるで再生されるよう。
キム・シンが静かに歩いていたあの“石段の階段”も、いまも変わらずそこにあります。
午後の逆光に照らされるその場所は、どこか切なく、そして温かい。
ドラマを観ていたときの自分の感情までも、そっと呼び覚ましてくれるんです。
📍 アクセス:釜山駅からバスで約20分
💡 美咲メモ:午後3時〜4時頃がベスト。太陽が家々を柔らかく包み、
まるで村全体が“金色の物語”に染まります。
ぜひ坂の上から下まで、風の音を感じながら歩いてみてください。
🌉 広安大橋(クァンアンデギョ)|『流れ星』『あなたが眠っている間に』——夜景が語る“余韻”

釜山の夜を語るうえで、この場所を外すことはできません。
海の上を走る美しいアーチ橋、広安大橋(クァンアンデギョ)。
ライトアップされた橋が水面に映る瞬間——
まるで空と海がひとつに溶けて、街全体が“感情の光”で包まれていくようなんです。
この橋は、『流れ星』『あなたが眠っている間に』など、
多くの韓国ドラマで“心が揺れる夜”を描く舞台になりました。
登場人物が言葉を飲み込み、代わりに夜景が語り始める——
そんな“沈黙の演出”が、この場所では本当に生きているんです。
取材で訪れた夜、私は海風に吹かれながら、しばらく言葉を失っていました。
波の音、風のざわめき、橋の下で反射する光。
そのどれもが、まるで「心のBGM」みたいに静かに響く。
そして、気づくんです——
ドラマの中で描かれていた恋も孤独も、すべてこの夜の中に溶けていることに。
現地の撮影スタッフに聞いた話が印象的でした。
「広安大橋は、俳優が“素の心”で演じられる場所なんです。
夜の海が、感情を全部受け止めてくれるから。」
——まさにその通り。
この光は、ただの夜景じゃない。“心の余韻を照らす光”なんです。
📍 アクセス:地下鉄2号線「広安駅」から徒歩約15分
💡 美咲メモ:夜9時のライトアップが最も幻想的。
橋全体がレインボーカラーに包まれる時間帯は、“ドラマのエンディング”そのもの。
撮影するなら三脚を使って、風と光の流れをそのまま残して。
🌿 冬柏島(トンベクソム)|『ボーイフレンド』——運命が静かに交わる海辺

『ボーイフレンド』で、ソン・ヘギョとパク・ボゴムが並んで歩いたあの海辺。
そのロケ地となったのが、海雲台ビーチのすぐ隣にある冬柏島(トンベクソム)です。
釜山の象徴的なスポットで、海と森と都市のすべてが一枚の絵のように重なる場所。
取材で訪れたとき、波音とともに松の香りが漂っていて、まるで“風が記憶を運んでいる”ようでした。
ドラマの中では、二人の関係が少しずつ近づいていく繊細な瞬間を描いていましたが、
この場所に立つと、その“静かな恋の呼吸”を肌で感じられます。
📍 アクセス:地下鉄2号線「冬柏駅」から徒歩約10分
💡 美咲メモ:朝の光が差し込む時間帯がベスト。
カフェ「The Bay 101」からの眺めはまさに映画のワンシーンです。
🌊 松島スカイウォーク|『あなたが眠っている間に』——“奇跡”を歩く透明な道

透明なガラスの上を歩く、少しスリルのある遊歩道——それが松島スカイウォーク。
『あなたが眠っている間に』の印象的なシーンでも使われたロケ地です。
海の上に突き出したガラス道を進むと、まるで空の上を歩いているような錯覚に。
私が取材で訪れた日は、少し曇っていました。
でも、ガラスの下を通る波が淡く光を反射して、まるで“感情の揺らぎ”を映しているみたい。
俳優がこの場所で静かに台詞をつぶやくシーンを思い出しながら、
「風景が感情を演じる」という言葉の意味を、あらためて感じました。
📍 アクセス:地下鉄1号線「南浦駅」からバスで約20分
💡 美咲メモ:夕方の光が海面に反射する時間帯が最高。
足元の透明なガラスに空と海が映る瞬間は、“まさにドラマ”。
🕊️ 釜山タワー&龍頭山公園|『流れ星』——見上げた空に、言葉にならない想いを

釜山の街を一望できる釜山タワーは、『流れ星』の回想シーンでも登場しました。
夜のライトアップされたタワーの下で、キャラクターたちが心の中の葛藤を抱えながら見上げる——そんな印象的な場面です。
実際にここに立つと、夜風が少し冷たくて、でも心地いい。
街のざわめきが遠くに溶けていって、ただ風の音と自分の心臓の鼓動だけが響く。
あぁ、あのドラマの“静かな間”って、この空気から生まれたんだなと実感します。
📍 アクセス:地下鉄1号線「南浦駅」から徒歩10分
💡 美咲メモ:夜9時以降は観光客も減って、まるで自分だけのエンディングシーンに。
手すり越しに見える港の光が、本当に美しい。
🐚 チャガルチ市場周辺|『サム、マイウェイ』——不器用でもまっすぐに生きる人たち

最後に紹介したいのは、観光地というより“釜山の心”を感じられる場所。
それが『サム、マイウェイ』に登場したチャガルチ市場周辺です。
魚の匂い、威勢のいい掛け声、湯気の立ちのぼる屋台——
すべてがリアルで、すべてが“生きている”。
ドラマでは、夢を追う若者たちの“もどかしさ”や“希望”が描かれました。
実際の市場を歩いていると、あの物語がただのフィクションではないと気づきます。
ここでは、誰もが主人公。
それぞれの人生が、毎日ドラマのように続いているんです。
📍 アクセス:地下鉄1号線「チャガルチ駅」から徒歩5分
💡 美咲メモ:昼間の活気と夜の静けさ、どちらも違う“人間ドラマ”が見えます。
市場の屋台で食べるスンドゥブが、心に染みるほど美味しい。
🗺️ 釜山ロケ地マップ|“感情の旅路”を歩くためのガイド

ここまで紹介してきた7つのロケ地は、すべて「感情の軌跡」でつながっています。
海と街、喧騒と静寂、過去と現在——そのすべてが釜山という街の中で呼吸している。
ドラマの登場人物が歩いた道を、あなた自身の足で辿ってみてください。
きっと“画面の中の世界”が、現実の温度を帯びて動き出します。
上のマップには、美咲おすすめの「釜山ロケ地ルート2025」をまとめています。
赤いピンが「恋とロマン」、青いピンが「日常と感情」、緑のピンが「癒しと余韻」をテーマに配置されています。
📍 おすすめルート(2泊3日モデル)
- 1日目:海雲台ビーチ → 冬柏島 → 広安大橋(夜)
- 2日目:甘川文化村 → 釜山タワー → チャガルチ市場
- 3日目:松島スカイウォーク → 釜山駅(帰路へ)
この順路は、私自身が実際に取材で歩いたコース。
海沿いを中心にまわると、移動時間も少なく、「感情のグラデーション」を体感できます。
特に夕方の広安大橋、そして夜の釜山タワーは、1日の締めくくりにぴったり。
💬 美咲メモ:
マップのピンにはそれぞれドラマ名と撮影エピソードを入れておくと、旅の楽しさが倍増します。
スマートフォンのGoogleマップに「ブックマーク」しておくと、釜山の街を歩きながら
リアルタイムで“ドラマの世界”をナビしてくれます。
そして何より大切なのは、「撮る」より「感じる」こと。
写真も大事。でも、風の匂いや海の音を、胸の奥にそのまま残してほしい。
ドラマの中の彼らが見ていた景色は、今、あなたの目の前にも広がっています。
——それが、釜山という街が持つ最大の魔法です。
次回は、韓国ドラマの“癒しと孤独”を映す聖地——
チェジュ島編へ。
自然と心が交差する場所で、また新しいドラマの続きを一緒に歩いていきましょう。
📍 まとめ|釜山で“感情を歩く旅”を
釜山を旅していると、時々ふと、胸の奥がじんわりと温かくなる瞬間があります。
それは、風が頬を撫でたときかもしれないし、波の音がふと静まった瞬間かもしれない。
でも、確かに感じるんです。——この街の“鼓動”を。
ソウルが物語を描く舞台だとしたら、釜山は“感情を生きる場所”。
この街では、ドラマの中で流れていた台詞や音楽が、
まるで風景の一部として息づいているように感じます。
だから私は、この釜山を「物語の余韻が生き続ける街」と呼んでいます。
取材で何度もこの街を歩くうちに気づいたことがあります。
それは、釜山の魅力は“人の温もり”そのものだということ。
どのロケ地にも、観光地にはないリアルな生活の音があって、
それが俳優たちの演技や作品の空気に自然と溶け込んでいるんです。
カメラが止まったあとも、彼らが流した涙や笑顔が、この街のどこかで静かに残っているようで。
私が一番好きな時間は、撮影取材を終えてホテルに戻る夜。
窓の外に広がる港の光を見ながら、
「今日もドラマの続きを歩けた」と思うと、心の奥がぽっと灯るような気がします。
ドラマは過去の物語じゃなくて、“今を生きる私たちの心の鏡”なのだと、釜山が教えてくれました。
海風の中で感じた孤独も、路地で見た笑顔も、
全部まとめて“人生の一場面”として胸に刻まれる。
それが釜山ロケ地巡りの一番の魅力であり、
そして、韓国ドラマが世界中の人の心を動かし続ける理由なのだと思います。
📖 美咲のひとこと:
旅の終わりは、物語の終わりじゃありません。
むしろ、あなた自身のドラマが静かに始まる瞬間。
スーツケースの中には、チケットと少しの勇気、そして——
“釜山の風と、ドラマの余韻”を。

編】7選-愛の不時着・マイン・ピノキオ…-心が浄化される島旅.jpg)
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