キム・ソンリョンさんは、私が20年以上追いかけてきた“特別な存在”の女優さんです。
どんな役柄でも画面にスッと溶け込む気品と、ふとした瞬間にこちらの心を射抜くような演技力。ソンリョンさんの名前を見つけると、「この作品は必ず観よう」と自然に決めてしまう自分がいます。
そんな彼女のそばには、長年寄り添ってきた“すごいご主人”がいるのをご存じでしょうか?
今回は、キム・ソンリョンさんの夫イ・ギス氏の人物像から、ミスコリア出身女優としての歩み、そして最新出演作『貞淑なお仕事』『禁酒をお願い』『ロ・ギワン』まで、2025年現在の情報を交えてたっぷりご紹介していきます。
キム・ソンリョンさんの夫・イ・ギス氏は“トップクラスCEO”

キム・ソンリョンさんは、1996年12月14日に釜山出身の実業家イ・ギス氏と結婚しました。
韓国芸能界では“おしどり夫婦”として知られ、20年以上にわたり互いを支え合ってきたカップルです。
夫のイ・ギス氏は、建築資材会社「コリアマプル」の役員出身で、
2009年から釜山・新世界百貨店内の大型アイスリンク「アイリスタ」を運営している
ビジネスエリート。
韓国メディアでは、「女優の夫の中で最も高収入なCEOランキング1位」に選ばれたこともあり、
芸能界でも“堅実な資産家”として名前が知られています。
ソンリョンさんは過去のバラエティ番組で、夫についてこんなふうに語っています。
「夫の財布には1万ウォン札がなく、小切手ばかりがぎっしり入っているんです。」
さらに、息子さんを出産した際には、
「息子を産むたびに1億ウォンずつもらうことになっている」
という、思わずスタジオがどよめいたエピソードも。
バラエティ特有の誇張はあるにせよ、“余裕のある家庭”であることは間違いないと感じさせる一幕でした。
ただ、私が20年以上韓国芸能界を追ってきて感じるのは、お金の話よりも、
ソンリョンさんがいつも「夫への信頼」と「家庭への感謝」を自然に口にするところに、この夫婦の本当の強さがあるということ。
女優としては凛とした強さを持ちながら、家では信頼できるパートナーと肩を並べて日常を築いてきた——。
そのギャップこそ、彼女が長く愛されている理由のひとつだと私は思っています。
2人の馴れ初め|“水上スキー”から始まったスピード婚
ソンリョンさんがイ・ギス氏に心惹かれたきっかけは、とてもシンプルで、そして少し映画のワンシーンのようです。
洗練されたファッションセンス、運動神経の良さ、そして水上スキーを軽やかに乗りこなす姿。
その“爽やかさ”に胸の奥がふっと動き、「この人だ」と感じたといいます。
出会いからわずか5ヶ月で結婚を決意した2人。
今聞いても驚くほどのスピード婚ですが、韓国では「結婚すべき相手だと感じたらあまり迷わない」という価値観も根強く、意外と少なくないパターンです。
それでも、20年以上連れ添ってなお円満だと伝えられるのですから、やはり“運命のタイミングで出会った2人”だったのだと感じます。
息子2人との現在|「どこに住んでるか分からない」くらいの放任主義?
2人のあいだには、2001年生まれと2005年生まれの息子さんが2人います。
2025年現在、上の息子さんは24歳、下の息子さんは20歳と、すっかり大人の青年です。
2024年には、YouTube番組で
「息子たちがどこに住んでいるのか正直よく分からないの(笑)」
と語り、スタジオが笑いに包まれる一幕もありました。
放任主義に見えますが、裏を返せばそれだけ“自立した大人として尊重している”ということでもあります。
子育てがひと段落したからこそ、ソンリョンさんがここ数年、ドラマや映画の現場でさらに存在感を増しているのだと感じています。
【プロフィール】ミスコリア出身の正統派美人女優・キム・ソンリョン

| 名 前 | キム・ソンリョン(김성령/金 成鈴) |
| 生年月日 | 1967年2月8日(現在58歳) |
| 出身地 | 韓国・ソウル特別市 |
| 身 長 | 168cm |
| 家 族 | 夫:イ・ギス氏/息子2人 妹:キム・ソンギョン(元アナウンサー) |
| 芸能界デビュー | 1988年「演芸人中継(芸能人中継)」MCとしてデビュー |
| 主な学歴 | 慶熙大学校 演劇映画科/韓国外国語大学校 経営大学院マーケティング学科 修士課程修了 |
| 所属事務所 | FNエンターテインメント(2025年現在) |
1988年の「ミスコリア」でグランプリ(真)を獲得し、その年にバラエティ番組のMCとして芸能界入り。
以降、映画・ドラマ・演劇・ラジオと多方面で活躍を続けてきました。
“ミスコリア出身”というと「美貌だけ」と誤解されがちですが、ソンリョンさんの場合は演技力・存在感・知性すべてを兼ね備えた、本当の意味でのスターです。
デビュー直後に新人賞を総なめにした女優としての実力
1991年、映画『誰が龍の爪を見たのか』(または『誰が赤いバラを折ったか』として紹介されることも)に出演し、
- 百想芸術大賞 新人演技賞
- 大鐘賞映画祭 新人女優賞
などを受賞。
文字通り“映画デビューから一気にスターダムへ”と駆け上がった女優です。
私が作品を観ていても、「ミスコリアだからではなく、演技で選ばれた人なんだ」と
感じさせるカットがたくさんあって、そのたびに胸が熱くなります。
結婚と家族|仕事と家庭を両立してきた年月
繰り返しになりますが、キム・ソンリョンさんは1996年12月14日にイ・ギス氏と結婚し、2001年と2005年に息子さんを出産しています。
仕事量だけを見れば、ドラマ・映画ともに“現場常連組”と言っていいほどのハードスケジュール。
それでも家庭との両立を実現できた背景には、夫の理解とサポートがあったことを本人もたびたび語っています。
豪華なエピソードや資産の話題よりも、私が惹かれるのは、インタビューの端々から伝わる、
「家族と一緒に年を重ねてきた人の穏やかなまなざし」なんです。
映画で観るキム・ソンリョンさん|代表作と最新作
これまでに出演してきた映画は20本前後。
ここでは、“演技の幅”と“いま観やすい配信状況”の両方の観点から、代表的な3作品をご紹介します。
①『ポイントブランク ~標的にされた男~』(2014年/邦題:旧『ターゲット』)

『ポイントブランク ~標的にされた男~』は、リュ・スンリョンさん主演のアクションスリラー。
フランス映画『ポイントブランク』のリメイク版ですが、韓国版ではサスペンスのキレと人間ドラマの厚みが加わり、観客動員数は284万人を超える大ヒットとなりました。
キム・ソンリョンさんは、ソウル中央警察署・強力1チーム班長 チョン・ヨンジュ役。
知的で冷静な“デキる女刑事”ぶりが本当にかっこよくて、普段のエレガントなイメージとのギャップに痺れます。
2025年12月時点では、U-NEXTやAmazonプライム・ビデオなど複数のサービスで配信されているので、比較的観やすい一本です。
②『毒戦 BELIEVER』(2018年)

『毒戦 BELIEVER』は、動員520万人超えの大ヒットを記録した麻薬捜査サスペンス。
チョ・ジヌンさん、リュ・ジュンヨルさん、チャ・スンウォンさんなど、演技派がこれでもかと揃った作品です。
キム・ソンリョンさんは、ここで“悪役寄りポジション”で登場します。
取調べ後に食事中、糖尿病を抱える身として体調が急変し、そのまま命を落としてしまう——。
短い出番ながら、目に焼きつくシーンです。
わずかな時間の中に、強さと弱さ、恐怖と哀れさが一気に押し寄せてくるような演技で、
「やっぱりこの人はうまい」と唸らされました。
2025年12月時点で、NetflixやU-NEXT、Prime Videoなど複数サービスで配信されているので、
視聴しやすさも◎です。
③『ロ・ギワン』(2024年/Netflix映画)

『ロ・ギワン』は、ソン・ジュンギさん主演のNetflixオリジナル映画。
脱北者ロ・ギワンが、ベルギーで「難民」として認められるために生き抜こうとする物語です。
キム・ソンリョンさんは、ここでロ・ギワンの母親として登場。
出演シーン自体は多くありませんが、息子を見つめる視線や声のトーンだけで、彼が背負う運命の重さを観客に伝えてくるような演技に、私は胸がぎゅっと締めつけられました。
この作品は、「自分の“生きる権利”ってなんだろう」と静かに問いかけてくる映画です。
エンタメとしてスカッとしたい日ではなく、少し心を落ち着けて、自分の人生を見つめ直したくなった夜におすすめしたい一本。
2025年12月現在も、Netflixで視聴可能です。
ドラマで出会うキム・ソンリョンさん|名作から最新作まで
ドラマの世界では、ソンリョンさんはまさに“ロングラン女優”。1992年から2020年代後半の今に至るまで、ほぼ毎年のように作品に参加しています。
ここでは、私自身が特に心をつかまれた役どころ+最新作を中心にご紹介します。
①『相続者たち』(2013年)

『相続者たち』でソンリョンさんが演じたのは、イ・ミンホさん演じるキム・タンの母、ハン・キエ。
“愛人”として帝国グループ会長の家に住みながらも、どこか満たされない寂しさを抱えた女性。
耳が不自由な家政婦ヒナムとのメモでのやりとりは、コミカルさと切なさが絶妙に混ざり合っていて、何度観ても心に残ります。
怒っているのにどこか憎めない、お金持ちなのにどこか不器用——。
“一面的な悪役には決してならない母親像”を生々しく、でも愛おしく見せてくれるのは、ソンリョンさんだからこそだと感じます。
『相続者たち』は2025年現在、ABEMA・Netflix・U-NEXT・Disney+ など多数の配信サービスで視聴可能。韓ドラ好きなら一度はチェックしておきたい“王道青春ラブストーリー”です。
②『女王の花』(2015年/主演)

全50話の大作『女王の花』では、レナ・チョン(本名イ・スジョン)として主演を務めました。
壮絶な過去を隠しながら、料理の才能と野心だけを武器に這い上がろうとする女性。
華やかなドレス姿で立っているだけで、「あ、この人はトップに立つべき女優なんだ」と思わせてくれるオーラがあります。
レナがかつて手放した娘イソル(イ・ソンギョン)と向き合うシーンの数々は、“母であること”と“野心を捨てきれない自分”の間で揺れる女性のリアルが詰まっていて、観ていて何度も胸が詰まりました。
③『その恋、断固お断りします』(2023年/Netflix)
ラブコメ好きなら外せないのが、Netflixドラマ『その恋、断固お断りします』。
ここでキム・ソンリョンさんが演じるのは、既婚の人気女優チェ・スジン。
法律事務所ギルムのVIP顧客で、「大韓民国で一番よく見かける人妻俳優」と呼ばれるキャラクターです。
仕事では完璧な女優でありながら、プライベートではどこか愛嬌たっぷりで、キム・オクビンさん演じる弁護士ヨ・ミランとの掛け合いは何度見てもニヤニヤしてしまいます。
④『貞淑なお仕事』(2024年/Netflix)
『貞淑なお仕事』は、1992年の田舎町を舞台に、4人の女性が成人用品(アダルトグッズ)の訪問販売に挑戦する物語。
Netflixオリジナルとして配信され、社会派コメディとしても話題になりました。
キム・ソンリョンさんは、その4人の中のひとりを演じ、“貧しさから抜け出したい”という切実さと、“女性としてのプライド”の間で揺れる姿をリアルに体現しています。
正直なところ、笑いながら観ていたはずなのに、ふとした瞬間に「これは過去の話ではなく、今もいろんな形で続いている現実なのかもしれない」と思わされる作品でした。
⑤『禁酒をお願い』(2025年/tvN・U-NEXT独占配信)
そして最新作として外せないのが、2025年放送のドラマ『禁酒をお願い』(原題:금주를 부탁해/Second Shot at Love)。
極めて常識的な愛酒家だと思っていた整備士のヒロイン・グムジュ(チェ・スヨン)が、お酒を憎む初恋相手ウィジュン(コンミョン)と再会し、禁酒に挑戦する“素面死守ロマンス”です。
キム・ソンリョンさんが演じるのは、グムジュの母・キム・グァンオク。
娘の飲酒に強い不安を抱え、ある出来事をきっかけに倒れてしまう重要な役どころです。
グァンオクは、過去にお酒で傷ついた経験を抱えた人物でもあり、「なぜここまで娘のお酒を恐れるのか」が物語の大きな鍵になっていきます。
2025年12月現在、日本ではU-NEXTで独占見放題配信。
“酒好き×禁酒ロマンス”という一見ライトな設定の中で、家族の心の傷や和解を描く作品としても楽しめます。



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