韓ドラ界の“絶対女王”――私は、キム・ヘスのことをいつもそう呼んでいます。
韓国ドラマを探すとき、まずキャスト欄で彼女の名前を探してしまう人、きっと私だけではないはずです。
私は10代の頃から韓国ドラマにのめり込み、気づけば視聴歴20年以上・累計3,000話以上を鑑賞してきました。
出版社のエンタメ記者としてソウルに通い、制作会社・脚本家・俳優へのインタビューも数多く経験してきましたが、その現場でいつも名前が挙がるのが、まさにこのキム・ヘスなんです。
「視聴率も完成度も、安心して任せられる女優は誰か?」――。
そんな質問を業界のプロたちにぶつけると、必ずといっていいほど候補に挙がるひとりがキム・ヘスでした。
私自身も、韓国の放送局や映画祭のアーカイブ資料、業界関係者への取材を通して長年データを追いかけてきましたが、
「この人が出ているなら、とりあえず見ておけ」と断言できる俳優は、本当に数えるほどしかいません。
その筆頭が、間違いなくキム・ヘスです。
そして本当にすごいのは、ここからなんです。
2020年代に入っても勢いは一切衰えず、
ドラマでは『ハイエナ』『未成年裁判』『シュルプ』と主演作が立て続けにヒット。
さらに映画『密輸 1970』では観客動員500万人超え&大手映画賞の最優秀作品賞までさらっていきました。
青龍映画賞の授賞式で、受賞者として「キム・ヘス」の名前が呼ばれた瞬間――。
私は中継越しに観ていただけなのに鳥肌が立ちましたが、現地の記者仲間たちは
「会場全体が一瞬、息を止めた」と表現していたほどです。
それでも彼女は歩みを止めません。
キャリア40年目にしてなお、キム・ヘスは攻め続けています。
2025年には、Disney+オリジナルドラマ『Unmasked(仮題)』で、国民的ニュースキャスターという新たな顔に挑戦予定。
法廷、宮廷、オフィス、裏社会……これまでありとあらゆる“世界の重力”を演じてきた彼女が、今度は“ニュース”という現実と虚構の境界線に立つわけです。
韓国メディアの報道を読みながら、私は思わず声に出してしまいました。
「まだ、上を目指すんだ…!」と。
この記事では、そんなキム・ヘスの魅力が濃縮された代表作として、
主演ドラマ・ベスト5 + おすすめ映画3本を厳選してご紹介します。
映像文化を専門に学び、現場取材も重ねてきた韓国ドラマ沼歴20年以上の私が、
単なるあらすじ紹介ではなく、“ファン目線”と“プロの分析”の両方を交えながら、熱量高めで語り尽くします。
「次、何を観ようかな?」と迷っているあなたが、この記事を読み終わる頃には――
きっと、“キム・ヘス祭り”の一気見スケジュールを組み始めているはずです。
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大女優・キム・ヘス――韓国エンタメ史を語る上で欠かせない“存在そのもの”

韓国ドラマ・映画を20年以上追いかけ、現地の制作スタジオ取材や、俳優・脚本家インタビューを重ねてきた私が、
「この人の経歴を語らずして韓国エンタメは語れない」と断言できる女優がいます。
それが――キム・ヘス。
| 名前 | キム・ヘス(本名同じ) |
| 生年月日 | 1970年9月5日(現在55歳) |
| 身長 | 170cm |
| 血液型 | A型 |
| きょうだい | 姉1人・弟3人(うち2人が俳優) |
実はヘスさん、中学生の頃にはすでにファッション誌でモデルとして活躍していたのをご存じでしょうか。
韓国メディアの過去アーカイブを漁っていて、デビュー初期の写真に出会うたび、思わず息を呑んでしまうんです。
170cmの長身、まっすぐ伸びた脚線、そして“物語を語る目”とも評されるぱっちりとした瞳。
スクリーンの前に立つ以前から、「スターになるべくして生まれた人」という空気をまとっていた。
これは、長年業界を見てきた身としても、ほとんど奇跡に近い資質です。
1986年、映画『カムボ』で鮮烈な女優デビュー。
そこからの約40年、第一線を一度も離れたことがないという稀有さ。
しかも驚くべきは作品選びのセンス。
韓国の制作会社スタッフと話すたびに耳にするのが、
「ヘスさんは脚本の“匂い”でヒットを嗅ぎ分ける」という言葉です。
実際にフィルモグラフィーを並べると、
“名作率が異常に高い”――。
これはデータとしても、現場の証言としても一致しています。
長年分析してきた私から見ても、ここまで成功確率の高い女優は世界的に見ても稀です。
「青龍映画賞の象徴」――キム・ヘスが築いた伝説
そして忘れてはいけないのが、韓国映画界最高峰の祭典、
青龍映画賞の“顔”として約30年近くMCを務めた存在感です。
映画界の関係者に取材すると、皆が口を揃えて言うのは、
「青龍のレッドカーペットは、キム・ヘスが登場した瞬間に完成する」という、もはや“名言”のような一言。
あの圧倒的なオーラ、完璧なドレスの着こなし。
登場したたった数秒で“空気の密度”が変わる女優なんて、世界中探しても数えるほどです。
私は毎年、授賞式の取材資料を読みながら、
本編より先に「今年のヘス姐さんのドレス」をチェックするのがルーティンでした(笑)。
でも、それはただのファッションチェックではありません。
“韓国映画界の一年の顔ぶれを象徴する存在”として、彼女がそこに立つ意味が大きいのです。
青龍映画賞を見続けてきた人なら、誰もが感じているはず。
キム・ヘスが登場する。その瞬間から、韓国映画界の一年が始まる。
そんな感覚ですらある――それほどの女優なのです。
キム・ヘス主演ドラマおすすめベスト5【韓国ドラマファン必見】

ここからは、韓国ドラマ歴20年以上の私がどうしても推したい、キム・ヘス主演ドラマ ベスト5を紹介します。
テンション高め&めちゃくちゃ主観多めで語りますので、「次に見る韓ドラ」を探している方は参考にしてみてくださいね。
第1位『ハイエナ -弁護士たちの生存ゲーム-』|キム・ヘス×チュ・ジフンの最強ケミ
「ああ…また“強くてヤバい女”を演じさせたら右に出る人がいないヘス姐さんが来てしまった…」と、1話から膝を打った作品です。
放送:2020年 SBS(全16話)
日本放送:テレ東・BSテレ東ほか
日本配信:Netflixで見放題配信中(2025年12月時点/独占配信)
受賞関連:百想芸術大賞でドラマ作品賞・脚本賞・男女最優秀演技賞など4部門ノミネートの話題作
『ハイエナ』ざっくりストーリー(ネタバレなし)
キム・ヘス演じるチョン・グムジャは、「勝つためなら手段を選ばない」雑草魂の弁護士。
一方、チュ・ジフン演じるユン・ヒジェは、エリート一家に生まれた“超優等生”弁護士。
- 金と権力がうごめく大手法律事務所
- 裏でつながる財閥・政界・財界
- クライアントの奪い合い、情報戦、ハニートラップ
そんなドロドロの法曹界を舞台に、“ハイエナ”同士の生存ゲーム&大人のラブゲームが展開していきます。
私が震えた『ハイエナ』のポイント
① グムジャの「生き様」があまりにもかっこいい
グムジャは学歴もコネもない、いわば“底辺スタート”。
それでも自分の足で情報を集め、「勝つために必要なことは全部やる」という覚悟でのし上がってきた女性です。
その背景にある“ある出来事”と改名の理由が明かされていく過程は、
正直、胸がギュッと締めつけられます。
② グムジャ×ヒジェの“犬猿バディ感”がたまらない
- コインランドリーでの“運命の出会い”(実は綿密な計画)
- グムジャの完璧すぎる“恋愛作戦”リハーサル
- 偽装婚約者としてホテルのスイートに潜入するドタバタ捜査
もう、2人が画面に一緒にいるだけで楽しい。
「嫌い嫌いも好きのうち」をここまで説得力を持って見せてくれるドラマ、そうそうありません。
③ “ソン&キム”のビルを見上げるグムジャの横顔
傷だらけになりながらも、何度も何度も事務所のビルを見上げるグムジャの後ろ姿が、
私には“この世界で生き延びようとするすべての女性”に重なって見えました。
「いつか絶対、このビルを買ってやる」。
その野心と悔しさと哀しさが、ヘス姐さんの眼差しだけで全部伝わってくるんです…。
正直、私はこのドラマを16話一気見しました。
「キム・ヘス×チュ・ジフンの大人のケミが見たい!」という方は、迷わずスタートしてほしい1本です。
第2位『未成年裁判』|「演技派が好き」と言うなら避けて通れない一作
配信開始:2022年2月25日(Netflixオリジナル/全10話)
配信形態:日本を含む世界同時配信で、配信直後から世界トップ10入りの話題作
日本配信:2025年時点でもNetflix独占配信中
正直言います。
この作品のキム・ヘスを観ずに「演技派が好きです」とは言えないレベルです。
『未成年裁判』はどんなドラマ?
実在する少年法と実際の事件をモチーフに、韓国の少年犯罪の現実を真正面から描いた法廷ヒューマンドラマ。
キム・ヘスが演じるのは、少年犯を心の底から憎みながらも、法と正義の狭間で苦悩し続ける判事 シム・ウンソク。
最初から最後まで、一度も笑わないキム・ヘスを観たのは、私、この作品が初めてでした。
観ていて苦しく、でも目をそらせない理由
- 被害者家族の怒りと絶望
- 加害少年の背景にある貧困や家庭崩壊
- 「未成年だから」という理由で軽くなる量刑
- 社会が“見ないふり”してきた現実
このドラマは決して「スカッとするリーガルもの」ではありません。
むしろ、観終わった後にドッと疲れるタイプの作品です。
でも、それでも私は「観てよかった」と心から言えました。
なぜなら、ウンソク判事の言葉や沈黙が、
「私たちは何を守り、何を見捨ててきたのか?」を容赦なく突きつけてくるから。
キム・ヘスの台詞の一つひとつが刃のようで、
「演技ってここまで人を揺さぶれるのか」とゾクゾクしました。
※シーズン2の噂もありましたが、現時点では正式な続編発表はなく、
この10話で完結した“濃密な一作”として受け止めた方が良さそうです。
第3位『シグナル』|タイムリープ捜査の金字塔&シーズン2制作決定の神ドラマ
放送:2016年 tvN(全16話)
評価:韓国ケーブルTV歴代トップクラスの視聴率&各賞総なめの名作
日本配信:2025年現在もNetflixで見放題配信中 + TSUTAYA DISCASでDVDレンタル可
さらに朗報として、2024年にtvNが
『The Second Signal(シグナル2)』を2026年の開局20周年特別企画として制作すると正式発表。
キム・ヘスを含む主要キャスト&脚本家キム・ウニが再集結予定と報じられています。
つまり…あの3人に、また会えるんです。
シグナルロス歴数年の私は、このニュース記事を読んだ瞬間、思わず声が出ました。
『シグナル』物語の軸
- 現在:プロファイラーのパク・ヘヨン(イ・ジェフン)
- 過去:正義感あふれる刑事 イ・ジェハン(チョ・ジヌン)
- 現在の刑事:チャ・スヒョン(キム・ヘス)
古い無線機を通じて“過去と現在”がつながり、未解決事件を追うという設定なのに、
タイムトラベルもの特有の“ご都合主義感”がゼロ。
- 過去を変えれば現在も変わる
- でも、救われる命があれば、新たに奪われる命もある
この残酷なルールの中で、3人がそれでも事件に挑み続ける姿に、
何度も胸が張り裂けそうになりました。
キム・ヘスの“20代と40代”を行き来する怪物演技
このドラマで一番ゾッとしたのは、
20代の新人刑事と40代のベテラン刑事を、キム・ヘスが1人で演じていること。
- 若い頃の不器用でまっすぐなスヒョン
- 15年の時を経て、傷を抱えながらも“現場に立ち続ける”スヒョン
眉の動き、歩き方、声のトーン。
全部少しずつ違うのに、「同じ人物」だと納得させてしまう説得力。
私はラスト近く、
スヒョンがジェハンの時計を見つめるシーンで、完全に涙腺崩壊しました…。
シーズン2が来る前に、
必ずもう一度見直しておきたい伝説級ドラマです。
第4位『シュルプ』|王妃であり“最強おかん”でもあるキム・ヘス
放送:2022年 tvN(全16話)
日本配信:Netflixで独占配信中
トピック:キム・ヘスにとって約20年ぶりの時代劇主演作
「王妃 × 教育ママ × 政治的プレイヤー」という三重役割を、ここまで魅力的に演じられる人、他にいますか…?
『シュルプ』はどんな時代劇?
舞台は朝鮮王朝。
キム・ヘス演じる王妃 イム・ファリョンは、問題児ぞろいの5人の王子(大君)を抱える、超多忙な“ワーママ王妃”です。
- 長男は世子(次期国王)
- 他の大君たちは、勉強サボる・恋に走る・秘密を抱える…とトラブル続出
- 宮中では姑である大妃や側室たちの“我が子を世子に!”戦争が勃発
そこに「血筋に関係なく、もっとも賢い者を世子にする“択賢”」という制度が持ち上がり、
王宮は一気にママ友戦争 in 王宮と化します。
私の『シュルプ』推しポイント
① ファリョン=“韓国版・最強おかん”
王妃としては威厳たっぷり。
母としては息子たちの失敗もしっかり叱る。
でも、側室の子どもたちにもちゃんと愛情を注ぐ。
権力のためなら他人を蹴落とす王妃ではなく、
「みんなの命を守るために戦う母」として描かれているのが本当に新鮮でした。
② 片眉クイッ…の“王妃フェイス”が最強
敵対する相手に詰め寄るとき、片眉を「クイッ」と上げて静かに笑うあの表情。
正直、あの一瞬だけで
「あ、この勝負、ファリョンの勝ちだな」と分かります(笑)。
③ 嫁姑バトルが、もはや芸術
大妃を演じるキム・ヘスクとの対決シーンは、
ベテラン同士の“演技合戦”という名の殺陣。
大声で怒鳴るのではなく、一言一言に棘を仕込みながら静かに刺し合う感じが、
めちゃくちゃ怖くて、でも何度も見たくなります。
史劇が苦手な方にも全力でおすすめできる、“王宮版ママ戦争ドラマ”。
「子どもを守る母は、時代や身分を超えて同じなんだ」と感じさせてくれます。
第5位『オフィスの女王』|“歩く資格の塊”ミス・キムが会社員の心を救う
放送:2013年 KBS(全16話)
原作:日本ドラマ『ハケンの品格』の韓国リメイク版
日本配信:U-NEXT・Amazonプライムなどで配信されている時期が多く、2025年現在も視聴できるサービスあり
「会社員あるある」が刺さりすぎて、笑いながらちょっと泣けるオフィスコメディの名作です。
主人公・ミス・キムという女
キム・ヘス演じるミス・キム(キム・ジョムスン)は、大手食品会社Y醤の“伝説の契約社員”。
- 年齢・経歴・私生活、すべて謎
- 残業NG・休日出勤NG・契約延長もしない
- 「自分の上司以外の仕事は受けない」と堂々宣言
- でも、与えられた仕事は100点満点以上で仕上げる
しかも…
- フォークリフト運転
- ショベルカー操縦
- コピー機修理
- 英語・中国語
- サルサダンスまで完璧
もはや人間というより、“歩く資格の塊”。
『オフィスの女王』ここが刺さる!
私がこのドラマで一番好きなのは、ミス・キムの信念がとてもシンプルなこと。
「信じられるのは、自分とお金と資格だけ」
聞くと冷たく聞こえるけれど、
不安定な非正規雇用という立場で生き抜くには、
あまりにもリアルな価値観なんですよね…。
それでも、彼女は決して“冷酷なロボット”ではなく、
理不尽な扱いを受ける部下やクライアントには、
誰よりも熱く、誰よりも誠実に向き合ってくれます。
日本版『ハケンの品格』の“韓国的アップデート版”としても超優秀。
「会社でちょっと消耗してるな…」と感じている日こそ観てほしいドラマです。
キム・ヘス主演おすすめ映画3選【韓国映画で味わう“本気の演技”】

ここからは、ドラマだけでなく“映画女優キム・ヘス”の真骨頂が存分に味わえる、
おすすめ韓国映画3本を厳選して紹介します。
「キム・ヘスの代表作を映画で押さえたい」「演技力で殴られたい」そんな方にぴったりのラインナップです。
①『コインロッカーの女』(2015)|キム・ヘス×キム・ゴウンの濃厚ノワール
公開:韓国 2015年 / 日本 2016年
主演:キム・ヘス × キム・ゴウン W主演
評価:主要映画賞で主演女優賞・助演女優賞など多数ノミネート&受賞
日本配信:U-NEXTなどで配信されている時期が多い韓国映画
舞台は、仁川チャイナタウンの暗黒街。
救いゼロのクライムサスペンスとして、韓国ノワール好きの心をしっかり鷲掴みにしてくる一本です。
『コインロッカーの女』あらすじ(ネタバレなし)
コインロッカーに捨てられ、“10番=イリョン”と名づけられた少女(キム・ゴウン)。
彼女を引き取り、闇金業者として育て上げたのが、“母”(キム・ヘス)です。
この“母”が、とにかく怖い。
- 冷たく人を見下ろす視線
- 一切ブレない低く落ち着いた声
- 暴力と搾取を日常として生きる、圧倒的な貫禄
「この役、ヘス姐さん以外に誰ができる?」と、途中からストーリーそっちのけで演技を凝視していました…。
キム・ヘス×キム・ゴウン×パク・ボゴムの化学反応
そんな“母”に唯一揺さぶりをかけるのが、パク・ボゴム演じる心優しい青年ソッキョン。
イリョンが初めて「普通の幸福」に触れた瞬間から、母と娘の関係が音を立てて崩れていきます。
1時間50分、ほぼノンストップで胸ぐらを掴まれ続けるような映画。
「韓国ノワールが好き」「キム・ヘスとキム・ゴウンの演技合戦が見たい」なら、絶対に外せない一本です。
配信状況は変わることがありますが、U-NEXTやAmazonプライムなど主要VODサービスをチェックすると出会える確率が高い作品です。
②『国家が破産する日』(2018/日本公開2019)|IMF危機を描く社会派韓国映画
テーマ:1997年の韓国IMF危機(通貨危機)の裏側を描いた社会派ドラマ
共演:キム・ヘス × ユ・アイン × ホ・ジュノほか豪華キャスト
日本配信:2025年時点で、U-NEXTなどで見放題配信されている人気韓国映画
『国家が破産する日』はどんな映画?
韓国が“国家破産寸前”まで追い詰められ、
IMFに緊急融資を要請するまでのたった1週間を描いた緊迫のストーリー。
- 危機をいち早く察知し、国を守ろうとする通貨対策チーム長(キム・ヘス)
- この危機を“チャンス”と見て投機に走る金融マン(ユ・アイン)
- 何も知らされずに借金と投資に踏み切る中小企業の社長(ホ・ジュノ)
「国家を救おうとする者」「危機で儲けようとする者」「ただ巻き込まれる庶民」――
その3つの視点が交錯していく構造が、本当にうまいのです。
キム・ヘスが演じた“良心の最後の砦”ハン・シヒョン
ヘスが演じるハン・シヒョンは、データから“破綻の日”を算出し、政府に対策を訴え続ける官僚。
- 「公表すべきだ」と主張すれば、「パニックになる」と黙らされる
- 「国民は知る権利がある」と言えば、「愛国心がないのか」と責められる
その板挟みのなかで、
「国家って何?誰のためのもの?」という問いが、観客に突き刺さります。
正直、日本も決して他人事ではない…。
エンドロールが流れても、しばらく席を立てないタイプの映画です。
「社会派の韓国映画が好き」「経済ものでも人物ドラマがしっかりしていてほしい」という方に、全力でおすすめしたい1本です。
③『密輸 1970』(2023/日本公開2024)|500万人動員の痛快クライムエンタメ
原題:『密輸/Smugglers』
興行成績:韓国で500万人以上動員、青龍映画賞 最優秀作品賞ほか受賞の大ヒット作
日本公開:2024年7月12日
日本配信:2025年現在、Amazonプライムビデオなどで配信中
「海女 × 密輸 × 女同士の友情と裏切り」という、
最高に“韓国映画らしい”エンタメ要素がこれでもかと詰まった一本です。
『密輸 1970』あらすじ(超ざっくり)
1970年代、韓国の小さな漁村クンチョン。
工場排水で海が汚染され、海女たちは仕事を失いかけています。
- 海女たちのリーダー・ジンスク(ヨム・ジョンア)
- その親友であり相棒のチュンジャ(キム・ヘス)
2人は生活を守るため、海底から密輸品を引き上げる危険な仕事を請け負うことに。
しかし、税関の摘発に遭い、
ジンスクは逮捕、チュンジャだけが逃亡──。
2年後、チュンジャが戻ってきたところから物語は大きく動き始めます。
見どころしかない豪華キャスティング
- 密輸王・クォン役:チョ・インソン(『刑務所のルールブック』など)
- チンピラ・ドリ役:パク・ジョンミン
- 海女リーダー・ジンスク役:ヨム・ジョンア
- 相棒チュンジャ役:キム・ヘス
そして何より、ヨム・ジョンア×キム・ヘスの“怪物級女優バトル”。
女性キャラがここまで主体的に動きまくる犯罪映画、韓国でもなかなかありません。
潜水アクション、騙し合い、友情と裏切り。
昭和レトロな空気と70年代ファッションも含めて、
全シーンが“目が足りない”映画です。
「痛快な韓国クライム映画が観たい」「強い女たちが主役の物語が好き」という方は、迷わず再生ボタンを押してほしい一本です。
【最新情報】これから観られるキム・ヘス出演作|“最強女帝”の進化が止まらない!

「もう十分すぎるほど代表作を持ってるのに、まだ伸びしろあるってどういうこと!?」 そう叫びたくなるくらい、キム・ヘスの“攻めのキャリア”は現在も爆進中。 ここでは、私が今もっとも期待している最新キム・ヘス作品をテンション高めで紹介します。
● Disney+オリジナル『Unmasked(仮題)』(2025)|“国民的ニュースキャスター”という新境地へ
配信:2025年予定(Disney+/STARオリジナル)
ジャンル:ニュース番組を舞台にしたサスペンス
まず、キャラクター設定を知った瞬間、私は声をあげました。
「ヘス姐さんがニュースアンカー!? 似合いすぎて震える…」
キム・ヘスが演じるのは、国民的人気を誇るニュースキャスター。
華やかな笑顔で国民の前に立つ“表の顔”と、 ニュースの裏でうごめく権力・利害・嘘……
その狭間で揺れ動く姿が描かれるそう。
もうね、これ絶対ヘスさんが「影のある女」を極上に仕上げてくるやつ。
公開された情報だけで、すでに“名作の匂いしかしない”んです。
ニュースの「読む側」ではなく「操る側」。
真実を「隠す者」と「暴く者」。
この攻防線の中心に立つキム・ヘス…… 想像するだけで鳥肌。
控えめに言って、2025年の目玉作品になることは確実。
むしろ、全ドラマファンが待つべき作品と言っても過言ではありません。
● 『シグナル2(The Second Signal)』|2026年、ついに“伝説”が動き出す
放送予定:2026年(tvN開局20周年記念企画)
制作状況:主要キャスト&脚本家キム・ウニが合流し制作準備中
これ、ニュースを見た瞬間に叫びました。
「やっと…やっと3人が帰ってくる!!!!」と。
『シグナル』は韓国ドラマ界でも伝説級の名作。
それだけに、続編の話は何度も浮上しては消え、 ファンはずっと“無線機の沈黙”を聞き続けてきました。
そこに突然の「シーズン2制作決定」という朗報。
キム・ヘス、イ・ジェフン、チョ・ジヌン、そして脚本家キム・ウニ—— 全員揃って帰還予定なんて、誰が想像しました!?
時間を超えた無線が、再び鳴る。 スヒョン刑事の瞳が、あの切なさと覚悟を宿したまま蘇る。
考えただけで涙腺が危険。 2026年、間違いなく“歴史が動く年”になります。
つまり—— キム・ヘスの“現在進行形の代表作”は、これからまだ増える。
普通ならキャリア40年を前に守りに入りそうなのに、 彼女はむしろギアを上げてくる。
挑戦し、変化し、常にトップを走り続ける。
だから私はこれからも、 キム・ヘスという女優の“次の一歩”を見届けずにはいられないんです。
2025年〜2026年は、キム・ヘス作品の“新章”が始まる年。
ファンとしては、ただただワクワクが止まりません。
私が思う「キム・ヘスの本当の魅力」|韓ドラ沼歴20年以上の総まとめ

ここまで代表作やおすすめ作品をたくさん紹介してきましたが、最後に韓国ドラマ・韓国映画を20年以上追いかけてきた私なりの“総まとめ”として、
「キム・ヘスという人の、本当の魅力」を言語化しておきたいと思います。
① どんな役でも「人間の生臭さ」を消さない女優
王妃でも。
弁護士でも。
判事でも。
闇金のボスでも。
どんな役を演じていても、キム・ヘスのキャラクターには必ず“人間の生臭さ”が残っていると感じます。
ただの正義の味方でもなければ、単純な悪役でもない。
どの役にも、
「この人にも、言えない傷や弱さがあるんだろうな」と感じさせる層の厚さがあって、
そこに私は何度も心を掴まれてきました。
つるっときれいな“記号的キャラ”ではなく、
汗も、後悔も、嫉妬も、執着も全部抱えた“生きている人間そのもの”を連れてきてくれる。
これこそが、私が思うキム・ヘス最大の魅力のひとつです。
② 年齢を“武器”にしている数少ない女優
正直に言います。
50代に入ってからのキム・ヘス、明らかに役の難易度が上がってます。
『未成年裁判』のような重い社会派ドラマ、
『シュルプ』のように王妃であり“最強おかん”でもある役、
『密輸 1970』での海女×密輸というワイルドな役どころ……。
普通なら年齢を重ねるごとに、「綺麗なお母さん役」「優しい上司役」へと安全なポジションに落ち着いていく人が多い中、
ヘスさんはむしろ、どんどん大胆で、重くて、難しい役に挑んでいるんです。
しかもそれを、まるで楽しんでいるかのように演じてしまう。
同じ時代を生きる女性として、これは本当に心強いし、何度も勇気をもらってきました。
「年齢を重ねることが、不利ではなく“武器”になっている女優」——。
キム・ヘスはその代表格だと、私は思っています。
③ 画面に映った瞬間、“空気の密度”を変えてしまう存在感
たとえ脇役でも。
本編の中で数シーンしか出ていなくても。
彼女が登場した瞬間、画面の空気がピリッと締まるんです。
「演技がうまい」「表情が豊か」だけでは説明できない、
俳優としての“格”みたいなものが、キム・ヘスには確かにある。
私はよく、
「キム・ヘスがカメラに収まると、そのシーンだけ重力が少し強くなる」
と例えるのですが(笑)、まさにそんな感覚なんです。
だからこそ、彼女がキャスティングされた作品は“外れがない”。
作品そのものを底上げする力を持った俳優って、そう多くはありません。
④ これから観るなら…タイプ別おすすめ視聴順
「どの作品から観ればいい?」という方のために、
目的別のおすすめ視聴ルートも置いておきますね。
- とにかくカッコいいヘス姐さんが見たい
→ 『ハイエナ』 → 『オフィスの女王』 - 演技力に打ちのめされたい
→ 『未成年裁判』 → 『コインロッカーの女』 - 物語そのものをじっくり味わいたい
→ 『シグナル』 → 『国家が破産する日』 - 母としての顔に心を撃ち抜かれたい
→ 『シュルプ』 → 『密輸 1970』
この順番で観ていくと、
「同じ女優がここまで幅広い人物を生きられるのか」という驚きとともに、
キム・ヘスという人間への理解がどんどん深まっていくと思います。
キム・ヘスの出演作を追いかけていると、
ただドラマや映画を“消費”しているのではなく、
「女性が年齢を重ねながらも、どうやって自分の人生を選んでいくか」という、
一種の生き方のモデルを見せてもらっているような感覚になります。
これからも、新作が出るたびにワクワクしながら、
一人のファンとして、そして韓ドラ評論家として、
彼女の歩みを追いかけていきたいなと心から思っています。
そしてこの記事が、あなたがキム・ヘス作品の扉を開くきっかけになっていたら、
こんなに嬉しいことはありません。
さあ、今夜はどの作品から“ヘス沼”に飛び込みましょうか?



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